2015-01-08 (Thu) 20:23
 遠い昔、問うたことがある。

 “桜の下には何が”

 それに返る、答えは終ぞなく。

 “おそろしいもの”とだけ。


 桜が咲くことがあるならば。
 それが目覚めるならば。

 おそろしいものが何であるか。
 知ることが叶うのか。


不甲斐無さと、焦燥と。己の未熟を苛んで。
傷つく体を抱えて、走る。

ただ只管に、主の下へ。何が出来るでもないのに。
胸騒ぎの静まらぬままに。


桜の下に。眠る何かに。
主は何を思うのだろう。

あれの下には。恐ろしい何かが。
眠っていつと聞いたのに…


かつて教わった、旧い記憶が。桜に重ね見せた幻は。
翅を広げた二匹の蝶となる。
何よりも幽雅に。



  只、立ち尽くすのみ。

  この光景はきっと。

  生きては見えず。死しても見れず。



放たれる光の彩。
広がる。集まる。四散する。
苛烈に舞い続ける紅白の蝶。

追いすがっては、爆ぜる光に。
ひらりひらりと遊ぶように。
優雅に舞うは桜色の蝶。


桜の下に。眠る何かが。
夢見る光景を重ね見る。

生きるも死ぬも
その境目までもがここでは酷く曖昧で。


二匹、舞い戻る。桜の下へ。
最後のときとばかり相向かう。

咲かぬ桜を、今、咲かさんとして。
再び舞い上がる。


芽吹く花。
吹雪く花片。
何か見てはいけないものをみて。

どの桜より。
それは、美しくて。そして、怖ろしくて。


桜の下、眠る貴女が。
“誰”なのか今―それがおぼろげに。

おそろしいものは、きっと、はじめから。私の傍にいた。


  只、立ち尽くすのみ。

  この光景はきっと。

  生きては見えず。死しても見れず。



妖々 「全て桜の下に」
アルバム:奉
ボーカル:Φ串Φ
サークル:凋叶棕
原曲:
東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.
アルティメットトゥルース
ボーダーオブライフ
| 凋叶棕 | COM(0) |
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